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私達のカトリック宝塚教会は、今年還暦を迎えます。被昇天の聖母に献げられている私達の教会は、この8月15日がその還暦のお祝い日でした。
丁度10年前の50周年記念として上梓された記念誌の第1ページに、50周年開年ミサ後の190人の方々の記念撮影写真と共に、「過ぎし日に感謝し 今を生き 未来に向かって」という標語が載せられています。
この3つの標語を、今日、もう一度分かち合い、そして将来に繋げたいと思います。
(1)「過ぎし日に感謝し」 ヘブライ人への手紙13章7-8節。「あなたがたに神の言葉を語った指導者たちのことを、思い出しなさい。彼らの生涯の終わりをしっかり見て、その信仰を見倣いなさい。イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない方です。」
神の創造によって始まった、生き物としての人間・社会的生き物としての人間は、その生命維持に必要な栄養素や機能が脈々として与えつづけられ、現在の私達に伝え続けられ生かされていることになります。それが止まると、例えば、とてもわかりやすい例えを敢えて言えば、脳細胞は酸素供給が3分間止まれば、死ぬことが分かっています。約2000年前にイエス様が生命を与え始められたカトリック教会も現在生きているのは、その生命の維持のための栄養素が、与え続けられているからです。これまでにそのイエス様の手となり足となって、時には自分の肉体的命を失なっても教会の生命の材料となってこられた司祭や信徒など全ての先達に感謝し、それらを与えて下さった神様に、この自分達も、その流れの中にいることに感謝しましょう。そして、元気な教会を次の時代にあたえられるように、今日の元気さを養いましょう。
今年の被昇天の聖母の記念日にも、数名の受洗者が与えられました。そしてもうすぐ数名の初聖体の子供たちが与えられます。
(2)「今を生き」 ペトロの第一の手紙1章15-16 節。「召し出してくださった聖なる方に倣って、あなたがた自身も生活のすべての面で聖なる者となりなさい。“あなたがたは聖なる者となれ。わたしは聖なる者だからである。 “と書いてあるからです。」
「今を生き」るだけでなく、「生き方を見直す」ことが大切なことです。実は、「過ぎし日に感謝」する思いが、今の「生き方を見直す」原動力になります。また、一日、一ヶ月という区切った形で「過ぎし日」の「生き方を見直す」と言う方法もあります。そして、その中で考えたことは、次の「未来に」自動的に繋がるのです。今が、今の直後(未来)の状態をつくっていっていることに、あらためて気づいてみましょう。
過去、現在、未来という時間の連続性の中で、この今生きている現在しか、私達の想いを生かす時と場はないのです。
身近に、工事現場で高いところから転落した若者の葬儀をおこない、心筋梗塞で明日の約束が果たせなかった働き盛りの方に出会うのです。
(3)「未来に向かって」 フィリピの信徒への手紙3章20節。「わたしたちの本国は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主として来られるのを、わたしたちは待っています。」
50周年記念誌の標語としての「未来に向かって」の意味するところは、とても“イミシン(意味深)”といえます。私達の宝塚教会としての未来も意味し、カトリック者としての私達の未来つまり目標も意味しています。その理解は、私達カトリック教会に属する者には、容易ではあります。幸せな未来があるという確信です。しかし、失うのも容易であることが聖書には書かれています。「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。(マタイによる福音書16章26節)」という、イエス様の言葉を、いつも身近に置きましょう。
*終わりに:
「イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない方です」(ヘブライ人への手紙13章8節) 私たちが自分の信仰が変わることがないと確信することが出来るのは、神を信じ、主イエス・キリストが十字架につけられて死に、3日目に復活されると信じるからである。その信仰によってわたしたちは永遠の命を得ることが出来る。だから、わたしたちは過去も現在も未来もひたすら主イエス・キリストを信じ、任せることが出来る。 主イエス・キリストを信じることによって、過去があるからこそ現在に至るのである。そして輝く未来を与えてくださると信じる。わたしたちは常に神に感謝し、信仰をくださるように願い求める必要がある。
全能の神よ、この60年間の歩みの中で、わたしたちの教会を守り、導いてくださったことを感謝いたします。わたしたちに信仰・希望・愛を与えてください。日々の生き方を通して、あなたのことを宣べ伝えることが出来るように必要なお恵みを与えてください。そしてこの教会のためにこれまで支え、奉仕してくださった多くの方々をあなたの豊かな恵みで満たしてくださいますように。
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