蝉は黙った
そのかわりに
静かな苦悩の嘆きが鳴り響いている
汗が乾いた
そのかわりに
目に見えない涙が我々の墓の上を潤している
我々の先祖は故郷に帰らない
そのかわりに
我々は永遠の出会いを繰り上げて
彼らに向かって行く
我々は先祖のために泣かない
そのかわりに
絶えず命を祝う
我々は神々の怒りを恐れない
そのかわりに
神様の抱擁を待ち望んでいる
十一月のお盆
木は自分の葉を脱がせても
幹と枝の中に命がまだ流れている
寒さが暑さを消しても
昼は光を持ち続けている
夜は到着を早めても
曙を避けられない
十一月のお盆
信仰の時