震えは全世界に広がっています。
実はその震えはこの世の初めから最後の日まで動いて、止まることはありません。
終わりのない震えは、海、土、火、風、雨の中に入ることが出来て、死の航跡を描きます。
地震が人間の土台を滅ぼす時、津波が人間の希望を飲みこむ時、台風が夢を吹き飛ばす時、雨が死の黒い花びらを落とす時、冷たい空気が人間の心を通して広がります。
しかし、その震えのおかげで海と空、田んぼと山は創造されました。
これは大きな矛盾と神秘です。
終わりのない震えの中に力がある。
飼いならせない馬のように、人間はまだその力を飼いならすことが出来ませんが、命のためにそれを使うことが出来ます。
“体を殺しても、魂を殺すことが出来ない者どもを恐れるな。むしろ、体も魂も地獄で滅ぼすことの出来る方を恐れなさい” とイエス様は教えてくださいました。
体の外で起こる震えが私たちの心の光を消す時、悪の流れが体を乗り越え、魂まで入り、死の種を蒔いてしまいます。
外の震えに対して、私たちはどうしたらいいでしょうか?
地震があれば、心の中に愛情の地震を作りましょう!
津波が来たら、連帯の津波を起こしましょう!
火事が皮膚を燃やしたら、心の中で燃えつかない柴と同じように、熱心に癒しのメッセージを述べ伝えましょう!
台風が人間を打ったら、正義と平和の風を吹かせましょう!
涙の雨が降ったら、希望の雲から慰めの微笑みを降らせましょう!
終わりのない震えは私たちの国を傷つけました。
痛くても、悩んでも、その震えが心の中に入ることを許してはいけません。
被災者の苦しみを分かち合って、愛の地震、希望の津波、信仰の力に答えましょう。
キリストが亡くなった時、大地が震えたそうです。
キリストは終わりのない震えに抱かれて地獄に下ったが、地獄の中心から悪の力を変え、光の震えを起こし、すべてを救いました。
今日、この暗い時に、キリストと共に終わりのない愛の震えに参加して、永遠までそれを広げましょう。
カトリック宝塚教会月報 2011年5月号
終わりのない震え
主任司祭 パスクアル・サオリン・カマチョ神父