カトリック宝塚教会  月報「よろこび」  巻頭言  カトリック宝塚教会のロゴ
2014年11月号 「教会の春」
主任司祭 パスクアル・サオリン・カマチョ神父

 カトリック教会は今、非常に重要な時期を過ごしていると思います。メディアを通して明らかになったカトリック教会の過ちは、たくさんの信徒に恥かしい思いをさせてしまいました。この嵐の中で前教皇ベネディクト16世が辞職され、新しい教皇、フランシスコが選ばれました。
 世界が急速に変化していく中で、教会は停滞の危険に直面していると思います。確かにわたしたちの信仰が変わることはありませんが、その信仰を伝えるための行い、ことばと霊的な生活を変えなければ、世界の人々に救いのメッセージを伝えることはできないと思います。つまり、現代の教会の問題は、教理の問題ではなく、司牧の問題であると思います。
 司牧には教理に基づくことだけではなく、人間の状況にも基づかなければなりません。司牧には2つの指針があります:神様の教えと人間の状況(特に貧しい人、病気の人と罪人)。
 教皇フランシスコの性格と行動はとても独創的です。表面的に見ればこのやり方は面白いと思います。例えば、狭い部屋に住んで、自分で会計を払って、教皇の伝統的な赤い靴を使わないで、自分の靴を使っています。また、自分で荷物を運んだり、一般の人と交わったり、小さな車を使い、ボディガードや警護を断ります。しかし、これはマーケティングの為だけですか? そういうことではないと思います。
 まず、教皇は勝手に働くのではなく、選ばれる前に、すべての枢機卿の指針に従っておられます。そして、第二バチカン公会議の教えにも従っていると思います。現代の教会が必要としているリーダーは、教える人より、牧者であると思います。教皇フランシスコはカトリック教会の信者だけではなく、全ての人のために「牧者」になっていると思います。
 具体的に教皇フランシスコは2つの大事なことを決められました:一つは使徒的勧告「福音の喜び」です。そして、来年に行うシノドスとその準備です。わたしたちの教会の司牧の計画は教皇の「福音の喜び」に基づいているので、説明は省きますが、シノドスの説明をしなければならないと思い、今月の「よろこび」の中に記載しているので、ご覧ください。
 この難しい時に教皇様のため、そして普遍的な教会が悪の力に打ち勝つことが出来るように祈りましょう。

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